アートメイクは、皮膚の浅い層にインクを注入することで、自然なメイク効果を持続させる施術です。一定の条件下においては、訪問診療として施術を受けることができます。本記事では、アートメイクの施術内容や対象部位、注意点などについて解説します。
美容クリニックや訪問診療でも施術が受けられるアートメイク。こちらの記事では、満足のいく仕上がりを手に入れるために知っておいて欲しい注意点やダウンタイムの過ごし方などアートメイクについて完全解説しています。
アートメイクとは
アートメイクは、眉毛やリップ、アイラインなどの部位に色素を注入し、長期間にわたって自然なメイク効果を持続させる施術です。タトゥーは皮膚の深い層に色素を注入するため効果が半永久的に持続しますが、アートメイクは皮膚の浅い層に色素を入れるため、より自然な仕上がりになることに加え、時間が経つと徐々に薄くなります。
アートメイクの施術は医療行為に該当するため、医療機関で医師が行うか、医師の指導のもとであれば看護師も施術可能と法律で定められています。なお、歯科医院では歯科医師または歯科衛生士に加え、看護師もリップの施術が可能です。
ただし、下記すべての条件を満たす場合は、訪問診療として自宅などで施術を受けることもできます。
- 通院が難しい(例:遠方に住んでいる、交通手段が限られている、高齢など)
- 医師の管理のもとで行う
- 事前にオンライン診療を受ける
アートメイクの施術回数は2~3回程度(個人差あり)で複数回の通院が必要なため、状況に応じて訪問診療の利用が便利です。
アートメイクの種類
アートメイクのデメリット/注意点
- 1回では色素が定着しないことが多く、通常2~3回の施術が必要
- 施術後1週間~10日程度のダウンタイムがある
- アートメイクの持続期間は1~3年間で永久的ではない
- 正しい方法でダウンタイムを過ごさないと施術後に肌トラブルや感染症が起きる可能性がある
- ボトックス注射、ヒアルロン酸注射、レーザー治療などのダウンタイム期間は施術ができない
- 流行に合わせすぎると後悔するリスクがある
アートメイクのMRIへの影響
アートメイクで使用した色素に含まれる微量の金属成分がMRIの電磁波に反応し、画像が乱れたり、やけどが生じたりする可能性があります。特に、アイラインのアートメイクでは、色素が円状に配置されることで誘導電流が発生しやすくなり、やけどのリスクが高まるとされています。
ただし、ここ最近で用いられている色素はFDAやCE認可の安全なものがほとんどで、MRI検査に通常は影響を与えないものがほとんどです。しかし、MRI検査前には必ず医師にアートメイクの有無を申告することが重要です。
アートメイクができない方
- 重度のアトピー性皮膚炎や金属などのアレルギーがある方
- 重度のケロイド体質の方※
- 花粉症の方(こすったり、施術中のくしゃみが危険のため)
- 妊活中/妊娠中/授乳中の方
- 重度の糖尿病の方(治りが遅いため)※
- 過去のアートメイクが濃く残っている方
- トラブルがある方(ものむらい・眉にニキビがある・ヘルペスなど)
- ダウンタイム中の方※
- C型肝炎・B型肝炎・AIDSなどの感染症の方
- 心疾患/高血圧の方※
- 長期間ステロイドを服用中の方※
- 血液をサラサラにするお薬を服用中の方※
※の方は、事前にかかりつけ医にご相談ください。
アートメイクの施術回数
アートメイクは、専用の針を使って皮膚の浅い層に色素を定着させる技術です。免疫反応によって1回の施術では色素は30~40%程度30~40%程度しか定着しないので十分な仕上がりを実感できません。そのため、通常2~3回の施術が推奨されています。
施術を2回以上受けた場合の持続期間は1年~3年程度で、肌質やライフスタイルによって個人差があります。
アートメイクの費用
眉やリップ、アイラインアートメイクの相場は1回あたり50,000円前後になりますが、エリア、アーティストによってもさまざまです。
アートメイクの施術の流れ
STEP 01.お申込み
アートメイクをご希望の方は、まずはじめにオンライン診療とアーティストを選んで施術をお申込みください。料金のお支払いを確認後、担当者より問診票を送付いたします。問診票の必要事項とオンライン診療の候補日のご回答をお願いします。
デザインや眉の形などに関するご相談は、Instagram等ご希望のアーティストに直接ご質問ください。
STEP 02.オンライン診療・カウンセリング
オンライン診療およびカウンセリングは施術当日に行います。ただし、金属アレルギーやアトピーなどのアレルギーをお持ちで、アートメイクが可能かどうか事前に確認したい場合は、施術の申込ではなく、まず医師の診察をお申し込みください。
STEP 03.施術開始
施術前には、痛みを軽減するために麻酔クリームを塗布します。なお、眉やリップ、頭皮へのアートメイクは、施術前にデザインの確認を行います。
STEP 04.アフターケア
施術後は、施術部位を保湿します。患部はケガをしているような状態のため、施術後1週間は丁寧な保湿を心がけてください。また、色落ちの原因となるため、かさぶたを無理に剥がさないでください。
よくある質問
- アートメイクを失敗しないためのポイントを教えてください。
- アートメイクを失敗しないためには、アーティスト選びが重要です。有名であったり人気があったりするアーティストが、必ずしもあなたに合うとは限りません。例えば、モード系で有名なメイキャップアーティストにメイクをしてもらっても、韓国風が好きな人であれば仕上がりに満足しない可能性があるのと同じです。
自分の理想に近い仕上がりの症例写真を探したり、カウンセリング時に質問に対して丁寧に答えてくれるかどうかなどを確認し、自身との相性や信頼性を判断しましょう。
- アートメイクにはどんな資格が必要ですか?
- アートメイクを行うためには、医師・歯科医師(リップのみ)または看護師・歯科衛生士(リップのみ)の資格が必要です。看護師は、医師または歯科医師の管理下で施術を行うことが医療法で定められています。タトゥーは医療従事者以外でも施術は可能ですが、タトゥーという名称であっても眉やリップなどへの施術もアートメイクと同様に医療行為として扱われますのでご注意ください。
- アートメイクの術後の経過を教えてください。
- 施術後、患部が赤くヒリヒリすることがありますが、1〜2日で治まります。色が一時的に濃く見えることもありますが、1週間程度でかさぶたがはがれ、1ヶ月ほどかけて色は徐々に落ち着きます。
- アートメイクのダウンタイムはどれくらいですか?
- ダウンタイムは通常1週間~10日程度です。激しい運動や入浴を避け(シャワーはOK)、できるだけ汗をかく行為を控えたり、施術部位を濡らさないことが重要です。保湿を行い、自然にかさぶたがはがれるまで触らないようにしましょう。日焼けもインクの変色の原因となるため、紫外線対策を心がけることも大切です。
- アートメイクの除去方法を教えてください。
- アートメイクの除去には、レーザー治療や切除、剥削(はくさく)などの方法があり、クリニックで施術が可能です。レーザーは肌へのダメージが少ないものの、色素のカラーによっては除去が難しい場合があります。赤系の色素などには除去液を使用することもありますが、肌への影響が大きいことに注意が必要です。